FX取引における指値注文や逆指値注文は、価格を指定して取引できるので大変便利です。しかし、指値注文や逆指値注文を出したからといって、注文時に指定したレートで約定するとはかぎらないことを覚えておきましょう。
為替相場は24時間動いているのはこれまでに説明したとおりです。しかし、土曜日、日曜日、祝日は相場は止まるため、毎週最低1回は相場の連続性が途切れます。
連続性が途切れたときに、しばしば発生するのが、「窓開き」という現象です。
これはチャートに間違いがあるのではなく、相場がクローズしたあとの終値と、再開されたときの始値にギャップが出たときに発生します。
2013年2月の米ドル/日本円では、2月22日金曜日(土曜日早朝)の終値が93.419円で、翌週25日月曜日の始値は94.530円でした。なんと1円以上もレートが飛んでいます。では、このときにどうして窓が開いたのでしょうか。
当時、日本銀行の白川方明総裁の後任選びが行われており、次期総裁は「金融緩和派」か「金融引き締め派」で、その行方が注目を集めていました。
そうした状況のなか、為替相場が動いていない日曜日に金融緩和派であるアジア開発銀行総裁の黒田東彦氏を起用することが固まったと報道されました。
金融緩和派の総裁が誕生することが決定的になったことを受け、週明けは「円売り(ドル買い)」の注文が殺到。始値は1円を超える大幅な円安水準となりました。
「窓開き」がなぜ起こるかは、政治や経済の状況によってまちまちで、それを予想するのは不可能です。
ここでみなさんに知ってほしいのは、週をまたいでポジションを持っていると、予想に反した方向に「窓開き」が起こった場合に、想定をはるかに上回る損失が発生する可能性があると
いうことです。
偶然にも予想する方向に窓開きが起これは想定以上の利益になることもありますが、こうした「窓開き」が起きたときに、たくさんのトレーダーが巨額の損失を出し、場合によっては再
起不能になることも少なくありません。
仮に週末の終値が1米ドル=100円で買いポジションを持っていたときに、99.50円に逆指値注文を入れていたとします。
ところが週明けに窓が開き、翌週の始値が99.00円であれば、99.50円の注文は99.00円で約定します。このような場合は、指値および逆指値注文だからといって、その価格では約定できなくなります。
予想とは反対方向に窓が開いてしまった場合は、トレーダーは手を打つことができずに無力といっても過言ではありません。指値および逆指値注文を使えば、ほとんどの場合、自分が
決めた価格に到達すれば、その価格で約定することができます。
しかし、「窓開き」のときや為替の変動が非常に激しいときにはその価格で約定しないことがあるのです。
とくにレバレッジが高い場合は、窓開き後に証拠金維持率が急低下して「追加証拠金」を求められるだけでなく、場合によってはいきなり「強制ロスカット」される可能性もあります。
月曜日の相場開始は日本時間の早朝。多くの人は起きて相場を監視するのは難しい時間帯です。こうしたことから初心者は週をまたいでポジションを持たないほうが無難なのです。
参考になさってください。
実際にFX取引を始めようと思ったら!
>>>今月のFX比較ランキングはこちら