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初心者のためのFX
「プロディーラーはこう取引する」
プロと個人投資家の取引における大きな違いは、生の為替フローの情報に触れられるかどうかです。そこでプロが行っている為替フローに着眼した取引手法をお伝えしますが、こちらは参考情報になりますので行動を理解するにとどめておいてください。

ニューヨークで狭いレンジ取引が続いてました。海外ヘッジファンドマネージャーたちのドルの買い指値が10億ドルあるとうわさがありますが、その日の海外市場では割れなかったのでシドニーから東京に入ります。日本の機関投資家が5億ドル買いたいという連絡が入ります。その注文を受けるとき海外勢の注文の噂を伝えたところ少し上値で注文が入りました。すかさずその銀行ディーラーは取引をします。海外勢の買い注文がある中でとある相場にはならないと読んだのです。

銀行ディーラーは自分が持っているポジションを損切りする場合は年金運用の買い注文である5億ドルと相殺すると決めてました。つまり年金運用の買いと残りの自分のポジションを相殺して注文を成立させるのです。

これはまさしく顧客と生の取引とグローバルな情報を駆使した取引フローになります。最初から2億ドルという大きなポジションを取ることができたのでポジションを上乗せしなくても当初の取引ポジションだけで大きな収益が見込める展開です。

今回銀行ディーラーの損切りは年金運用の指値注文と相殺できるという損失限定が約束された状況でした。3億ドルの買いがつくまで自己ポジションと相殺する必要がないことは利点です。このようにプロ、特に銀行は生の為替取引や顧客の指値、逆指値注文をうまく利用して収益確保に努めています。

この取引はテクニカル分析から求めた重要なチャートポイントを利用することなく、顧客のフローと前日からの値動きを利用して取引した例です。個人投資家とは全く違う取引手法になります。

しかし個人投資家はこのようなプロの取引事例から、いわゆる一個人の取引金額は多勢に無勢であり、相場は世界中の参加者がいろいろな思惑で取引し、その結果で動いていること、プロも取引の参入や利食い損切りのポイントとして少なからずチャートを利用してること、などを理解していただければ結構です。

参考にしてみてください。

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