FX取引で、「セーフティー注文」という考え方があります。これは思いがけない方向に為替レートが動いた場合に、それ以上損が膨らまないようあらかじめ入れておく注文で、利益が出る方向ではなく、損失が発生する方向に入れておきます。
まずはこのセーフティー注文を機械的に入れる練習をして、入れることが習慣化すれば第一段階はクリアで、次は適切な値幅を決めている方法を考えていきたいと思います。
セーフティ注文の値幅コントロールは、取引開始の根拠や、サポート線&レジスタンス線とセットで考えます。セットで考えずに値幅をコントロールしようとすると、自分の懐具合だけを考えて値幅を狭くしたり、意味のない損切りを繰り返すことになります。
例えば75SMAの跳ね返りを見込んで取引を開始したのであれば、75SMAを抜けたところにセーフティー注文を入れておきます。
値幅は通貨ペアの特有のボラテリティ=変動幅や、その時のボラテリティにもよりますが、誤差を含めて一般的には30〜60銭くらいです。レンジ相場のサポート線やレジスタンス線を根拠に取引開始したのであれば、そこを抜けたところにセーフティー注文を入れておきます。値幅は75SMAと同じ考え方になります。これが基本原則です。
セーフティー注文の値幅から逆算して、取引開始のタイミングを決めることもよくあります。そういう時は、跳ね返りなどの目安になるタイミングで取引開始して、そのポイントを抜けたら一旦その取引をクローズすると言う考えを同時に持っているという事です。
ですから、ここを抜けたらセーフティー注文をかけ、あきらめるというタイミングで取引開始することでもあります。そういうタイミングで取引を開始しているからこそ、結果として逆に行ったときに損失幅を狭くコントロールすることができるのです。
取引開始の根拠がなく、セーフティー注文の根拠もなし、いまが下降トレンドだから「とりあえずどこでもいいから売ってみる」という根拠がない考えでは、セーフティー注文もどこにおいていいかわからず損失リスクをうまくコントロールすることができなくなってしまいます。
また、取引開始の根拠とサポート線&レジスタンス線を合わせて考えて、値幅を決めるケースもあります。例えば75SMAで上に跳ね返ったので買いから始めるようなパターンです。
セーフティー注文は、取引開始の根拠となるポイントから30〜60銭離して入れるのが基本原則ですが、その20銭くらい下に何度も跳ね返されているサポート線がある場合は、サポート線の少し下に、セーフーティー注文を入れておきます。なぜなら75SMAの下に抜けてもこのサポートに当たって、また上昇する可能性が高く、無理な損切りをしなくていいからです。
仮に今回はサポート線を抜けて、損失幅が大きくなったとしても、それは意味のあるストップです。セーフティー注文の値幅のコントロールはそれだけが単独で上達できるものではありません。取引開始の根拠がしっかりしていて、サポート線&レジスタンス線の強弱がわかるなどいろいろな要素が絡み合って、経験を積んでいくうちに適切な値幅がわかってくるものです。
FXでは上手に負けることを目標にしてください。そのためには、セーフティー注文をうまく使いストップ幅を狭く損失を最小限にする事ができるようになる必要があります。
FXで勝つためには、負けるのではなく、上手に負ける方法を身につけることが必要なのです。
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