FX取引で、「セーフティー注文」という考え方があります。これは思いがけない方向に為替レートが動いた場合に、それ以上損が膨らまないようあらかじめ入れておく注文で、利益が出る方向ではなく、損失が発生する方向に入れておきます。
セーフティ注文は安全のために入れているのですから、万が一の時はかかっていいものであり、むしろ、エントリーした方向と逆方向に進んだ場合はかからなければならないものです。したがってセーフティ注文がかかりそうになった時に注文しなおして動かしてしまうのは厳禁です。動かすことで当然含み損が拡大しますし、一度動かすとどんどん動かしたくなり最後には大きな含み損を抱えてしまい、泣く泣く損切りすることになります。
取引開始に適したポイントがわかれば、セーフティ注文にかかかったということは相場状況が変化している可能性もあります。例えば購入取引をした場合にひっかかれば相場は逆、売却のチャンスかもしれません。
相場はいくら分析しても、そうなる可能性が高くても、必ずそうなるとは限らず、思い込みは危険です。相場は自分の分析通りにならないこともあります。そのような時に思い込みで突っ走るのは危険です。そうした状況で資産を守るのがセーフティ注文なのです。
セーフティ注文にかかったからといって正しい分析ができなかったと落ち込む必要はなく、損失がでたからと言ってへこむ必要もありません。セーフティ注文に引っかかったときは予定していた損失限度内で抑えられたからよかったのです。
分析が正しくても、その通りにならない事があるのが当たり前だということを理解する必要があります。テクニカル分析は、過去のパターンからこういう場合はこうなるという経験則に基づいて少しでも確率の高いほうを選択するものです。確率60%でも確率の高いほうを選択したことになります。しかし、その40%は逆に行くということです。それを理解していれば、一度入れたセーフティ注文を動かすことがいかに危険な行動かも理解いただけると思います。あと数銭なら元に戻った、ということもあるかもしれませんが、次も同じようにセーフティ注文を設定しなければなりません。
セーフティ注文を動かして、ポジションを維持したまま、また相場が自分にとっていい方向に進んで利益が出ることもあります。でもそれは間違った成功体験として記憶され、一度入れたセーフティ注文を動かす癖がついてしまいます。
この癖が怖いのは、どんどん動かして含み損を拡大させることにつながってしまうからです。大金を一度の非常事態で失ってしまう可能性があります。
100円動いてもなんともないくらいの資金量とロット数でトレードしているなら話は別ですが、100万円以内での庶民のFX取引ならセーフティ注文を動かさないことが鉄則です。
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