FX為替市場の取引テーマには息の長いものと短いものがあります。息の長い市場のテーマは「メイントレンド」を生み出します。
そしてFX取引時に心がけたいのが「市場のメイントレンドにいかにうまく乗っていくか」ということです。アナリストであれば、「市場のメイントレンドは何か」を言い当てるだけでいいのでしょうが、FXでは儲けないと意味がありません。相場観がはずれて損失を被り、取引で損失を出すことは誰にでもあることです。
「ユーロ圏債務危機」の嚆矢として、「ギリシャの粉飾決算」というテーマが浮上したのが2009年。翌年、ユーロ/米ドルは夏にかけて約300pipsほど下落しました。非常に大きな下落で今になってチャートを見れば「ひたすら売っておけばよかった」簡単な相場に見えます。
しかし、後から見れば一本調子で下げている相場でも、途中には上昇する局面もあり、そうした反発局面ではユーロ上昇を示唆するニュースや「そろそろ危機が収束するのでは」といった見通しが広まります。メイントレンドが本当に終わったのか、テーマとしてのユーロ危機は賞味期限が切れたのか、その判断しだいでは収益は大きく変わります。
メイントレンドが終わっていないのであれば上昇局面は戻り売りの絶好機になりますし、賞味期限切れなのであればポジションを決済して利益確定しなければなりません。メイントレンドが収束したのか、継続したのか判断するために、チャートを分析し、ファンダメンタルズを分析するのです。
ユーロ危機後300pipsの下落途中、何度かの反発がありながら1ユーロ=1.18米ドルで下げ止まりメイントレンドは反転しました。
ユーロ危機が収束したわけでないのが、その後ユーロ危機第二幕といったかたちで再燃したことも明らかですが、市場のメイントレンドは欧州から米国に移行したのです。
2012年夏に、バーナンキFRB議長がカンザスシティ連邦準備銀行の主催するジャクソンホールで行った講演で追加緩和であるQE2をほのめかし、その瞬間から市場の関心がユーロ危機から「いつQE2へと踏み切るか」へ移っていったのです。
ユーロ売り材料そのものには大きな変化がなくても、より新鮮で大きな材料であり、ドル売りにつながるQE2というアメリカ側への材料へ、移り気な為替市場がテーマを換えたのです。
メイントレンドが下落ならばひたすらショートし、反発局面では様子を見ながら戻り売りの機会を待つ。メイントレンドが上昇ならばロングに徹して反発局面では押し目買いや買い増しの機会を待つ。こうしたメイントレンドの波に乗ることだけを考えていくと、利益効率をあげられるのではないでしょうか。
参考にしてみてください。
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