FX為替市場の取引テーマには息の長いものと短いものがあります。息の長い市場のテーマは「メイントレンド」を生み出します。前回のコラムではメイントレンドの重要性についてご案内しました。
>>>「FXで勝つにはメイントレンドに乗ることが大切」
ではこのメイントレンドの予兆というのはどうやって把握するのでしょうか?
メイントレンドができるときの予兆、あるいは、トレンドの本格化のシグナルとなるのが「リアルマネー系」の動きです。
為替市場にはさまざまな「フロー」があります。FXのような個人投資家はむしろ小口。金融機関のディーラーが短期的な収益を狙って取引したり、投資信託が外国債券での運用のために円を豪ドルに交換したり、あるいは「実需」と呼ばれるところでは、トヨタやパナソニックのような輸出企業が海外の売り上げで外貨を円と交換したり、東京電力が海外から購入したLNG(液化天然ガス)の代金支払いのために円を売り米ドルを買ったり。
さまざまなプレーヤーがさまざまな思惑で取引しています。
こうしたフローの持ち込んだ注文が、為替市場を動かすことがよくあります。個人投資家にはなかなかフローは見えにくいですが、GI24などを見ていると、注目すべきフローがよく紹介されています。どれも注目していきたいものではあるのですが、中長期的なポジションを取る際にはリアルマネー系の動きが参考になります。年金基金や投資信託などの取引などの取引がそれにあたり、彼らはヘッジファンドのように大きなレバレッジをかけたりすることはしませんが、運用資金が非常に大きいのです。
年金基金や投資信託などの取引がそれにあたり、彼らはヘッジファンドのように大きなレバレッジをかけたりすることはしませんが、運用資金が非常に大きいのです。また頻繁にポジションを動かすことは少なく、そんな彼らが動くときはメイントレンドが明確になったときなのでその動向を見るとこれからの為替相場がよめるのです。
ちなみに「世界最大の機関投資家」と呼ばれるリアルマネーの大物は厚生年金や国民年金、運用機関である「GPIF」=年金積立金管理運用独立行政法人です。
その運用額は110兆円。1%動かしただけで1兆円ですから非常に大きなインパクトがあります。
ポートフォリオの配分比率を会議で決めて大枠が決まってから具体的な投資先の選定へと入ります。彼らがひとたび動き出すと海外勢は追随します。
GPIFの情報は日経新聞や日経ヴェリタスなどの日本のメディアがいち早く報じます。海外勢に比べ日本はGPIFの情報により近いところにいる強みがあります。GPIFなどリアルマネーが動き出したときは、メイントレンドが本格化する兆しです。
参考にしてみてください。
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