FX=為替市場で数少ない出来高に関する指標が「IMM」、シカゴ通貨先物ポジションです。
シカゴのマーカンタイル取引所(CME)では「通貨先物」が取引されており、取引所には毎週金曜日にポジション状況を当局へ報告するよう義務付けられています。週1回の公表なので速報性にかけるのですが、ポジションの状況は「IMM」と呼ばれ市場参加者がどのような取引を行っているのか、重要なヒントを与えてくれます。
IMMの参加者は「シカゴ筋」と称されるなど、短期投機筋の代表格ともなっています。気をつけてほしいのは、IMMで取引されているのは「通貨ペア」ではなく「通貨」だということ。売り買いされるのは「米ドル/円」ではなく「円」という銘柄です。
このIMMの使い方ですが、メイントレンドがある程度進行してから気にしてください。債務危機のなかでのユーロ下落であれば、市場参加者は当然のことですが、ユーロ売りへとポジションを取っていきます。シカゴ筋としてそれは同様です。だんだんと売り立ての残高が膨らんで、やがてニュースなどで「ユーロ売りポジション史上最高水準」などと報じられるようになります。
メイントレンドの方向にポジションが積みあがると、こうしたニュースが出てきて、いったん反転する可能性が高まります。これを「ショートスクイーズ」と呼びますが、現在の売手は将来の買い手となる、つまり今売りで持っているポジションはいずれ買い戻されるという動きです。
売りポジションがゆるやかに解消されていけばいいのですが、売りポジションが一斉に決済されると買い注文が殺到することとなり、一気に上昇の動きとなります。しかも損切りの場合、投資家は自分に不利なレートでも約定することになります。
このような動きを予測するためには「損切り注文がどこにあるか」を意識することが大切です。大量のオーダーが一斉に発動すると、市場は短期間で大きく動きやすいのです。
市場は往々にしてメイントレンドへの動きが強いときほどトレンド方向のポジションが積みあがり、その反対方向におかれたストップがある特定レベルに集まっていると、こうした決済や損切りによる巻き戻しの動きも起きやすくなるのです。
IMMポジションの状況はインターネットですぐに見ることができます。毎週発表される数字を追いかける必要はないと思いますが、FXニュースなどで「過去最高」「○年ぶりの高水準」といったヘッドラインが出てきたら要注意です。
参考にしてみてください。
>>>今月のFX比較口コミランキングはこちら