ファンダメンタルズの情報を見ていると、ときとして「モルガンスタンレーが米ドル/円を90円で買い推奨。ストップは88円、ターゲットは100円」あるいは「クレディスイスはユーロ/スイスフランの見通しを3ヶ月で1.39、1年で1.42に」といった情報を目にします。
モルガンスタンレーやゴールドマンサックス、UBS、クレディスイス、シティバンクなどの金融機関は顧客向けにこうした中長期的な売買推奨の情報を流すことがあります。
本来は顧客向けであり公にされているわけではないのですが、狭い業界ですので「どこそこの銀行でこんなレポートを出している」といった情報は口コミですぐに広まります。
こうした売買推奨レポートを鵜呑みにしそのままトレードするのはよくありません。というのは金融機関によって方向性がまったく違うこともありますし、ある時期はゴールドマンサックスがよくあたり、次の時期はゴールドマンサックスは全く頼りにならないということもあるのです。
実際2013年にユーロ/米ドルについてはゴールドマンサックスは1.38の上昇を見込んで買い推奨し、モルガンスタンレーはショートを進める股開きになっていました。
ただこうした情報は市場の方向感、ムードを教えてくれる材料となります。多くの金融機関が同じ方向で同じようなターゲットを目指していれば、彼らの存在感、取引額、影響力は大きいですから、ターゲットを達成する可能性は高いのでは、と考えられます。オプションを背にしたのと同じ発想で、「ゴールドマンのストップが1ドル95円だからそこを抜けたら逆指値をおいて買ってみよう」といった使い方もできます。
ヘッジファンドの動向も同様です。ヘッジファンドの具体名となるとなかなか一般の耳には届いていないと思いますが「FXコンセプツ」というヘッジファンドがあります。世界最大の為替のヘッジファンドといわれており、トップのジョンテイラーはブルームバーグやロイターのインタビューにも頻繁に登場します。
同じように投機家として有名なジョージソロスや「BRICS」という言葉の生みの親であるエコノミストのジムオニールなどの発言が材料となることもあります。
こうした為替の動向に影響を与える要人のインタビュー報道がされたときは、ヘッドラインだけでも目を通して彼らがどんな通貨に注目し、どんな相場観を持っているのか、頭に入れておくといいでしょう。
参考にしてみてください。
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