為替市場には通貨や時間などによるクセがあります。そうした特徴を知っておくことはFXでも大切です。普段は取引しない通貨や国のニュースでも、トレードに思わぬヒントを与えてくれることもあります。顕著なのが中国経済と豪ドルとの関係です。
豪ドルは「擬似人民元」といわれるほど、中国の材料で動きます。中国経済指標がいいと豪ドルが買われたり、中国株が急落すると豪ドルもつれてさげたりといったようにです。これはひとえに、中国とオーストラリアの貿易関係が非常に密接なためです。
最近ではサイバーエージェントFXが人民元を扱うようになるなど、中国の為替制度は開放に向かっているものの、豪ドルのように完全に自由に取引できるわけではありません。
そのため、「人民元の代替通貨」として豪ドルが取引されているといった側面もあります。マーケットでは「中国の材料→豪ドルで取引」と反応する習慣があります。この関係を知っておくと中国のGDPが悪化したといったニュースを聞いて「豪ドルを売っておく」という発想ができます。
あるいは「中国で強い材料がでるまでしばらくは豪ドルを買い控えておこう」といった損失を防ぐこともできるでしょう。
また豪ドルを取引しないとしても中国の経済指標は侮れません。為替市場でも中国の存在感は増しています。経済指標などで中国経済の減速が確認されると、世界の投資家が「リスクを少し抑えよう」とリスクオフの動きになります。
豪ドルと人民元以外にも相関性を持つ組み合わせがあります。一般的には豪ドルとNZドルは似た値動きをしがちですし、「資源国通貨」としてくくられる、カナダドル、南アフリカランドも同じ方向に動きやすい傾向があります。
さらにブラジルレアルの動向が資源国通貨全体に影響を与えたりします。ブラジルレアルはFXではほとんど取引されることはない通貨ですし、チャートを見ることも少ないと思いますが、ブラジルレアルと豪ドルとの間に相関性があった時期がありました。
過去日本でブラジルレアル建ての投資信託が盛り上がり、為替市場で取引が少ない割りに成長期待から投資信託がらみの投資が活発なため、ファンドマネージャーがリスクヘッジの意味合いで豪ドルを売買していました。そうした背景からブラジルレアルが反落するとき同じ資源国通貨の豪ドルも急落するという傾向がありました。
最近ではブラジルレアル自体の流動性が高まっているのでこの相関性は薄れています。通貨のクセは変わります。それを踏まえつつ同じ「新興国通貨」や「資源国通貨」として括られるグループの通貨は影響を与えやすいということを気に留めておいてください。
参考にしてみてください。
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