為替市場には定期的に繰り替えす「相場のクセ」があります。いわゆる「アノマリー」と呼ばれるものもひとつ、実需のオーダーもそうです。
大きなところでいうとここ数年動くのが年末年始です。日本人は12月28日ごろから大晦日をはさんで三が日がお休みとなりますが、欧米勢はその前、クリスマス前後に1〜2週間の休暇をとります。欧米は12月末が決算期末でもあり、この間、相場は閑散とするのが通例です。
とくにクリスマス当日となる25日は世界の主要相場で動いているのは東京くらいですから値動きはありません。クリスマス休暇が終わった12月27、28日あたりから動き出して、1月1日はさすがに休みますが、2日は取引が始まり、しかも新年度でゼロからのスタートなのでここで大きく動くことも多いのです。
動く方向で参考になるのが年末に各金融機関が発表する「来年の展望」といったレポートです。来年は円売りがメイントレンドとなろうといったトーンで各行の見通しが一致していれば、「今年の初取引は円を売ってみようか」となりますから、結果としてレポートが予測した方向に動きやすくなります。
その他、日本人には馴染みのない休暇として、3月のイースターや10月のハロウィンなどもあります。こうした欧米に共通する祝日の直前には、休暇中のリスクを減らすため、ポジションを閉じようという動きが出て、ファンダメンタルとは関係なく、調整相場に入る傾向があることは覚えておいたほうがいいでしょう。
最近はAIを利用したシステムトレードが注目されている為替相場ですが、本来はあくまでも市場参加者が行っているものです。人の心理が大きく影響するのが為替相場であり、ホリデー前にうごくのも当然なのです。
その他、季節要因としておおきなものが3月です。3月は日本の決算ですが、ここで大口注文が持ち込まれます。その前から輸出企業が稼いだ米ドルを円に両替することが増えるため、実需から円が買われることになります。海外資金を日本に戻すリパトリエーションといいます。
欧米でも同じことがあるのが月末のユーロ/英ポンド売りです。これは英国がEUへの支払いのための為替取引を月末ごとに出すためといわれています。
朝9時55分は日本の銀行がその日の為替レートを決める時間ですし、同様のことがロンドン市場で深夜1時にあります。「ロンドンフィキシング」の時間に個人投資家には見えづらいですがどんな大口注文がでるか配信されることがあり、注意したほうがいいでしょう。
参考にしてみてください。
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